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サーモパイル

サーモパイル

サーモパイルとは複数の熱電対を直列、あるいは並列に接続したものです。サーモパイルは絶対温度を測定する部品ではなく、局所的な温度差、温度勾配に比例した電圧のみを出力します。

受光面積

赤外線を吸収する吸収膜面積を表します。
吸収膜面積を大きくすると受光する赤外線量が増加するので、出力電圧を増加させることが出来ます。反面、時定数は大きくなり、応答速度が遅くなります。

出力電圧

ある特定の条件におけるサーモパイルの出力電圧を表したものです。出力電圧は測定する対象物体の温度によって変わるので、定格を表すものと、用途に合わせた条件の出力電圧を表しているものがあります。出力電圧が高いと、増幅回路にかかる負担が小さくなるので回路部品の低コスト化を見込めます。

測定条件1

一般に赤外線センサの出力を表す時に使用される測定条件です。この評価方法は、サーモパイルの全視野に対して500kの黒体炉が占める割合が開口部(アパーチャ)によって制限されています。そのためサーモパイルと基準器(黒体炉)に大きな温度差があっても、サーモパイルが受ける赤外線量は少なくなるので、出力電圧も小さなものとなります。ただし、本来は焦電型赤外線センサ等の特性を現す規格のため、あまり最適な評価とは言えません。

測定条件2

耳式体温計など、特定用途での出力電圧を表す条件として用いています。この評価方法は、黒体炉の温度(例:37℃)をサーモパイルの全視野に入れることで、受光する赤外線量が多くなり出力電圧が大きなものとなります。この方法でより現実的な出力電圧を知ることができます。

サーモパイル抵抗

直列に接続された熱電対の全抵抗値をサーモパイル抵抗と呼びます。一般に抵抗体は常に熱雑音(ジョンソンノイズ)を発生しており、この雑音は抵抗値の1/2乗に比例して大きくなります。従って、抵抗値が高いほどノイズ電圧が大きくなります。また、増幅回路を構成する際、抵抗値が高くなるほど誘導ノイズ が大きくなるので、サーモパイル抵抗は出来るだけ低いことが望まれます。

時定数

サーモパイルセンサに赤外線パワーを入射し、出力信号が最大値の63.2%まで増加するのに要する時間をいいます。この値が小さいほど応答速度の速いセンサと言えます。

赤外線

波長が可視光線より長く、マイクロ波よりも短い電磁波の総称です。ここでは温度を持つ物体全てから自然に放射される赤外線輻射を表します。サーモパイルはこれらを利用して非接触温度検知をしています。

視野角

赤外線を検知することのできるセンサ範囲で、ピーク出力の50%となる角度です。当社製サーモパイルの場合は±50°になります。

吸収膜

赤外線を吸収するための膜になります。センサに組み込まれており、一定の波長の光のみ吸収します。

透過波長帯域

サーモパイルは赤外線透過フィルターを装着しており、そのフィルターが透過する赤外線の波長帯域を表します。人体から放出される赤外線は8~12μmで、非接触温度計測をする場合、この赤外線を透過させなくてはなりません。

アパーチャ径

黒体炉を使ってサーモパイルを測定するとき、黒体開口部を表す寸法になります。サーモパイルの視野角に対し黒体開口部が大きい場合はアパーチャ径を考慮しません。

黒体炉

黒体とは、外部から入射する電磁波をあらゆる波長にわたって完全に吸収し、また熱放射出来る想像上の物体のことです。センサの出力特性を測定する際の熱源としては黒体塗料を使用した温度となります。

テーブルデータ

サーモパイルの出力特性を表したデータ。対象物温度とセンサ温度の対応表となります。