Current Regulative Diode定電流ダイオード

はじめに

定電流ダイオードとは、LEDを過電流、過電圧、温度上昇等の外乱から保護し、
LEDの輝度を安定化するダイオードです。
・LED点灯回路の省スペース、省部品、ローコストに貢献します。

定電流ダイオード(以下 CRD ; Current Regulative Diode)は、その名前が示すように電圧が変動しても一定の電流が供給可能なダイオードである。1V以下の低電圧から100Vの高電圧までの広い電圧範囲で常に一定の電流を流すことがことが可能な部品である。つまり、加える電圧の変動、負荷抵抗の変化、リップル電圧に係ることなく負荷に一定の電流を供給可能である。
一般に定電流回路は構成が複雑で複数の部品が必要であり、設計も簡単ではない。一方、CRDは、たった1個の部品で定電流特性が簡単に実現可能である。

定電流ダイオード
CRDの特徴をまとめると
  • 1V以下から100Vまでの広い電圧範囲で動作が可能である。
  • 電源変動や負荷変動、リップル電圧の影響を受けない。
  • 単一の部品で定電流回路を実現し、実装スペースの削減可能。
  • 周波数特性が良く、10MHzまでの高周波に使用可能である。
  • 発振現象が無く、ノイズを発生しない。
  • 並列接続によって電流の拡大が可能である。 等である。

LEDの保護と輝度安定

LEDはデリケートな部品で、比較的小さな過電圧、過電流によって壊れてしまう問題がある。
特に過電流には注意が必要で、定格電流に近い電流であっても自己加熱による熱暴走で、定格電流を越えてしまいLEDが壊れる場合がある。
また、LEDにはVfのバラツキがあり、同じ電圧を印加しても流れる電流が大きく違い明るさにバラツキがある。
このようなことから、一般にLEDを駆動する為には、定電流で駆動することが必要である。
さらに、LEDを駆動する為の電源は一定ではなく、電圧変動負荷変動、リップル電圧等、さまざまな電圧変動要素がある。
定電流ダイオードは、LEDに加えられるさまざまな変動要素から保護可能な部品である。

LEDへの応用時のメリット

  • CRDは単一の部品でLEDを点灯可能である。
  • 電源電圧が変動してもLEDは一定の明るさで点灯可能である。
  • LEDのVfのバラツキに関係なくほぼ一定の明るさになる。
  • 並列接続により定格電流の大きいLEDにも対応が可能である。
  • 周囲温度が高くなると電流値が小さくなりLEDを保護する。
  • 整流用ダイオードと組み合わせで交流でも使用可能である。
  • 交流で使用した場合、周波数が変化しても明るさは変化しない。

CRDは上記のようにLEDとの相性が良くLEDが受ける過電流電圧変動、周波数変動、周囲温度上昇等の外乱から保護が可能で、且つ、LEDのVfのバラツキに関係なく一定の明るさで点灯が可能な部品である。

CRD

CRDの並列接続

CRDの並列接続で使用すると電流値の拡大が可能である。並列接続した場合の電流値はそれぞれの電流値の和になる。たとえば10mAの製品と15mAの製品を並列接続すると25mAを作ることが可能である。 また、並列接続するCRDの数量にも制限が無く、例えば18mAの製品を5本並列接続すれば90mAの大電流を作ることも可能である。

CRDの並列接続

LEDの市場動向

  • ①照明市場(電球→蛍光灯→LED)
  • ②表示灯市場(ネオン管→LED)
  • ③サイン(看板バックライト)市場(蛍光灯→LED)
  • ④液晶バックライト(CCFL管→LED)
  • ⑤アミューズメント市場(電球→LED)
  • ⑥自動車市場(電球→LED)
  • ⑦信号機市場(電球→LED)
  • ⑧集魚灯市場(電球→LED)
  • ⑨イルミネーション市場(ネオン管→LED)

現在、様々な市場でLEDの用途が拡大しています。開発当初は、LED照明で、蛍光灯に勝る効率の製品が無かったが、最近は、蛍光灯より効率のよいLEDを搭載しLED蛍光管が開発されており、今後はこのような製品が場を牽引していくと予想されています。
LED照明は、地球温暖化の対策としての採用も増加し、日本国内では、スーパーやコンビニ店舗、外食店舗、駅構内の看板にLED照明が頻繁に使用されています。 また、欧州では、効率の悪い白熱電球から、効率の良いLED照明への転換を推奨しており、特にオランダでは、州政府、地方自治体等が協力して取り組んでおり方針で街灯は、2010年度中にはLED照明に代えるべきとしています。

LED照明用途にLED点灯回路モジュールの開発

LED点灯回路モジュールは、蛍光灯に勝る効率のLED照明に貢献する製品とし て開発する計画である。LED点灯回路モジュールは交流電源に接続しLEDを効率良く点灯させる為のモジュール化した製品である。LED点灯回路モジュールはブリッジダイオードとCRDで構成されるシンプルなものである。

LED照明用途にLED点灯回路モジュールの開発
特徴
  • 回路部の損失が少なく効率の良い照明が可能である。
  • 電源電圧変動があっても明るさは一定である。
  • 電源周波数が変わっても明るさが一定である。
  • 突入電流の発生がない。
  • 回路からのノイズの発生がない。
  • 電解コンデンサをつけないので長寿命化が可能である。
  • トランス、コンデンサが無いので小形化が可能である。

一般的にLED照明の駆動回路は、スイッチング電源でAC/DCに変換して更に定電流回路でLEDを駆動する方式がとられているが、この方式だと、スイッチング電源の損失と定電流回路の二つの損失があり、蛍光灯に勝る効率のシステムが実現出来ていない。また、スイッチング電源には電解コンデンサが使用されていますので電解コンデンサの寿命、すなわちスイッチング電源の寿命がLED照明の寿命を支配してしまう問題がある。さらに、平滑回路に電解コンデンサが使用によって突入電流が発生するので突入電流の対策が必要になる。これに対しLED点灯回路モジュールは、スイッチング電源と定電流回路の二つの機能を合わせ持つものである。シンプルな構成なので損失も小さく、且つ寿命も長い電解コンデンサを使用しなくても良いことから、長寿命、高効率のLED照明システムを構築することが可能である。

CRDの現状と今後

CRDはさまざまな用途で30年以上供給続けている長寿製品である。2000年までは略同じ生産数量で推移してきたが、2001年以降生産数量が増加傾向にある。用途を分析するとLEDへの定電流供給の用途が明らかに増加している傾向にある。また、CRD生産数量の増加率はLEDランプの生産数量の増加率と強い相関があり今後も同様の拡大傾向が継続すると予測している。SEMITECでは、2005年から新たな製品開発に着手して新製品を順次投入していく予定である。2007年に高精度、大電流のCRD Lシリーズを製品リリース2008年に樹脂パッケージのCRD Sシリーズを製品リリースさらに、CRD Sシリーズを主部品としてモジュール化したLED点灯回路モジュールを開発していく予定である。

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